Poem


僕の道しるべ


ボックス席に座る僕らは
隣になるのが恥ずかしくていつも斜めどうし

会話が切れると外を眺めるフリをして
窓ガラスに映る半透明の君を見るのが好き
なんだか君の知らない
君の姿を見ている気がして

後悔の塊のような夢

斜めに座った僕らの距離が
あの時の僕らの心の距離

窓ガラスに映る君ばかり見ていた僕は
ただ君に ちゃんと向き合えてなかっただけの弱虫

後悔の夢はやがて
夢まで君の虜のだという象徴となった

でも 君の中の僕はきっと
窓ガラスに映るより薄れているのだろう

一度だけ耳元で囁いた
好き の言葉も声も
君は覚えてないのだろう

それでいい
君に広がる未来に
僕はいらない 必要ない

愛すことの幸せを知った僕は
この気持ちと君に会える夢で過ごしていける

ボックス席を離れる君に
また会えると信じて
願いを込めて言った
またね の言葉

今 夢を見続け
虜な僕は 夢の中で言い続ける

また 夢の中で会いましょう

夢でも君は 僕の道しるべ