僕の道しるべ
ボックス席に座る僕らは
隣になるのが恥ずかしくていつも斜めどうし
会話が切れると外を眺めるフリをして
窓ガラスに映る半透明の君を見るのが好き
なんだか君の知らない
君の姿を見ている気がして
後悔の塊のような夢
斜めに座った僕らの距離が
あの時の僕らの心の距離
窓ガラスに映る君ばかり見ていた僕は
ただ君に ちゃんと向き合えてなかっただけの弱虫
後悔の夢はやがて
夢まで君の虜のだという象徴となった
でも 君の中の僕はきっと
窓ガラスに映るより薄れているのだろう
一度だけ耳元で囁いた
好き の言葉も声も
君は覚えてないのだろう
それでいい
君に広がる未来に
僕はいらない 必要ない
愛すことの幸せを知った僕は
この気持ちと君に会える夢で過ごしていける
ボックス席を離れる君に
また会えると信じて
願いを込めて言った
またね の言葉
今 夢を見続け
虜な僕は 夢の中で言い続ける
また 夢の中で会いましょう
夢でも君は 僕の道しるべ